土屋敏男・大塚恭司 対談

January 13.2016

※HAPPY HOURでは編集を行っていません。ゲスト及び参加者の発言内容に対し一切の責任を負わないものとします。

 

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土屋敏男
1979年日本テレビ入社。萩本欽一やテリー伊藤からテレビ製作のノウハウを学び、「電波少年」シリーズ、「天才・たけしの元気が出るテレビ」などの番組を担当。2012年日本テレビと日テレアックスオンが設立した新会社LIFEVIDEO代表取締役に就任。

 

大塚恭司
1983年年日本テレビ入社。以降、様々なジャンルの番組演出を手掛ける。代表作に「ミスター・マリック超魔術シリーズ」「演歌なアイツは夜ごと不条理な夢を見る」「女王の教室」等。

 


 

 

玲雄

最初に生まれた当日の読売新聞朝刊一面で始まるじゃないですか、ああいうのって、ライフビデオ注文したお客さんってもらえるんですか?


土屋さん

出来ますよ、はい


玲雄

多分、生まれた日の出来事って興味あると思うんですよね


そうだね


玲雄

土屋さんのお父さんだったか、もう一人の方のサンプルだったか覚えてないんですけど、生まれた日の日本の情勢や状況のナレーション、あれも面白いですね


そういうのが、新聞だとかニュースとか、天気でもいいし、そういうのってもう始めっから自分の中にイメージあったの?


土屋さん

いやないです、ないです。たまたまこの1年、色んな人に相談とかしていたら「読売新聞がこういうアーカイヴしているはずだから、話してみたら?」とか、っていう出会いですね


玲雄

DVDと一緒にそういうのもらえたら最高ですよね


たまんないよ


玲雄

面白いなぁと思ったのはプレミアムパックの、息子さんのインタビューを家でやって、途中で、車でどこかに向かう時のインタビューもあるじゃないですか、ああやって場面が変わるだけでまた、グッと視聴者は入れるんですよねぇ


土屋さん

それは本当、勘でしかないんですよね。「あ、ここ回しておこうかなぁ」っていう。で、「ここでこんな事聞いてみよう」とか。多分、大塚もそうだと思うんですけど、1本やって、僕もずっとそうなんですけど、勘があるかないか。ねっ? きっとね。これ聞いたから、一瞬、もうちょっと聞いてみようとか。大塚がやった時も何かがあれして、これが聞き出せたとか。ね?


俺、始めてだと思う、全然緊張しないで、大塚さんの時は全然緊張しないで普通に喋れた。俺凄い照れ屋で緊張するんですけど、独特な雰囲気でしたよね


大塚さん

いや、実は僕もあのお店の前の段階まではめちゃめちゃ緊張してて(笑) めちゃめちゃ緊張していたんですけど、座ったら全然大丈夫になって


隣で土屋さんがニッコリしながら座っていたんだけど、その後ろのスタッフの女性の方が途中からしくしく泣いていて、俺それ見てもらい泣きしそうになっちゃてるし

 

(笑)


土屋さん

多分大塚も、手探りって言ったらおかしいですけど、手探りで何かを、これはテレビ番組を作るってワケじゃないんですよ、視聴率を取ろうとか、誰かに褒められようとか、まったく思ってないワケですよ。ものすごく真摯に、その人の人生と向き合っていると言うか


その通りだろうね、良い言葉だ


土屋さん

本当にそれしかない状態で大塚はこう向き合っているから、変に俺らの癖が、例えばこれを1か月後に番組にしないといけないとか、そうするともっと変なことしちゃうんですよ


大塚さん

そうかもしれないですね。あれは「自分」がなくなってますもん。テレビの番組とかは自分がああしなきゃ、なんですけど、この前の時は全然そういうのなかったです。委ねている感じというか、そういう制約が我々テレビマンが解き放たれたというか(笑) そういう感じかもしれないですね


凄い今日は笑いが自然で良いですねぇ(笑)

 

(一同笑う)


モノのプライス/価値としてあのビデオを評価しちゃいけないんだろうけど、「ライフビデオ撮ってあげる」が一番嬉しいと思うけどね。乗用車より良いと思うね。乗用車って束の間だけどあれは次の代、次の代、次の代まで見れるワケでしょ? それって凄い価値なワケじゃない。ああいうのを文部省とかがやれば、永遠ですよ


玲雄

写真を集めるっていうところから始まるじゃないですか。実際その作業をやらせて頂いて、「あの写真どこだったかなぁ」とかって、運良く今回はたくさん集まったんですけど、例えば震災の影響を受けた人たちが、写真がなくなったって時に、じゃどうやってライフビデオ作るか?っていう課題もこれからの世代はあるだろうし、「じゃイラストでライフビデオ作ってみよう」とか、色んな形でできる要素があるんですよね。無限の可能性があるフレームというか


ああいう形でやったのって世界で初めてでしょう? 過去にあります?


大塚さん

ないですよね


あれ、スタンダードになるね。コンテンポラリーでクラシックで、全部入っているよね。音楽で言えば凄い高度なマスタークラスが、分かりやすく出す音。子供からお爺ちゃんまでが感動できる音を出すマエストロみたいなさ、俺そんな感じがするなぁ。ちょっと生意気だとひけらかしちゃうけど、裏方であんだけ人を温かくするというか何回も言うけど包むというか、プロって凄いことやるんだなぁって、だけどハートがないとできないよね


土屋さん

大塚が写真を並べて編集した時に、「あっ、こういうモノを受け取るんだな」って、人生ってこういう何かね、写真を一枚一枚並べて見ただけで、「あそうか、こうなるんだ」って、それだけがある意味全てで、そこにちょっとナレーションとか使っていくっていうだけの肉付けなんだけど、だからある種の、人生を肯定的にじゃないですけど、生きるって色んなメロディが、音楽が聴こえてくるんですよね。たった一つの音楽がその写真を並べるだけで聴こえてくる感じは、驚くよね?


大塚さん

驚きますねぇ


あと僕らには出来ない、写真のセレクションとタイミングなんて、出来ないですよ。土屋さん、大塚さん結構ハートがある人だね。あと、僕もう一回あの泣いてくれた女性のスタッフに会いたい

 

(笑)


玲雄

今日もお店いらしたんですよ


土屋さん

カバン買ってってないんですか?


玲雄

後日買われるみたいです


政ちゃん!


政ちゃん

はい!


ちょこんと何か、みんなお疲れだろうから、ちょっと甘いものでも出してあげて


政ちゃん

はい分かりました


土屋さん

あの子は今まで報道の別の番組やっていて、僕はその前から知ってて、この仕事やる時に声かけて一緒にやろうよって、それであの日が初めての現場だったんですよ


玲雄

初の現場

 

(笑)


土屋さん

初めて来て(笑) でどんな事が始まるんだろう?って、大塚よりもっと知らない状態で来て、そして後ろで仕事してたら感動して泣いちゃって

 

(笑)


しかしぼくもずーっと、40年くらい、親父の跡を継いでやってたけど、親方がちゃんとしていると育つけど、親方がいい加減だとダメだし、あのスタッフの女の子は幸せな子だよね。いきなりあの凄い仕事を大親方の下で、幸せだよねぇ。作り方って現場じゃなくちゃ、経験なくちゃ出来ないって言うけど、俺本当に、東京大学でもいいし芸大でもいいし、土屋さんに先生になってほしいね。「これがハートなんだよ」って教える授業。理屈理論、教科書通りじゃなくて。「本物」ってそうじゃないですか? 感動とかさ、考えさせられるとか、将来とかさ、それが俺本当に教育だと思うし。さっきも外国の人から連絡来たって、あれ言葉なんか分からなくて良い。絶対分かるって。本当に良い映画とか音楽って言葉関係ないもんね


土屋さん

そうですね


ファッションもそうだし。カバンもそうかな


土屋さん

思いがこもるっていうか、そういうのってやっぱりあるんだろうし、僕らも何十年かやってきた分だけ何かあるんだろうし、そこをテレビじゃないところでもう一回裸になって、そういう意味で言うと、吉田さんがポータークラシックをっていう、そういうところを、もう一回ディレクターっていう職業を割り振られた人間がテレビじゃないところで、人と向き合う


何か、「ありがたい」っていう言葉があるけど、「光栄」ですよ、あんな風なチャンスを与えて頂いて、、、すっげぇ思うね。この間作って頂いて、だって、玲雄が死んじゃっても、玲雄の娘、その子供達が全員見れるんだよ。凄いことだよ。自分の、本当初めて、生き様みたいなのを映像で撮ってくれて、もう何も言い残すことございません(笑) あとは一生懸命で仕事してくたばるだけです


玲雄

プレミアパックのサンプルをユーチューブで見ていたんですけど、「著作権の都合上」って途中で出てくるじゃないですか、あれはどういう事なんですか?


土屋さん

あれは美空ひばりさんを好きな方のライフビデオで、ひばりさんの「川の流れのように」っていう曲について、息子さんの和也さんがその事について語っているインタビューがあって、ま音楽的にはちょっと そういうことで使えないんですけど、ご本人がそういうことで使うのをと仰せられたので、ご本人に渡したDVDも入っているし、インタビューも入っているんですけど、たまたま今体調を崩されていて、そういうお話ができる状況じゃないんで、許可が取れなかったんですけど


あのう、僕記者会見とか初めてで、画面(スカイプ中継)見ながら緊張してたんですけど、まあ、暖かいスピーチだったねぇ土屋さん


土屋さん

会見ですか(笑)本当適当なこと言ってしまって

 

(笑)


この間電通の卓馬さんと、ひとっきり土屋さんの話で盛り上がって、二人の共通点、「良い人」だよ「暖かい人」だよって


玲雄

卓馬さん言ってましたよ、克さんも土屋さんも50歳になった時モヒカンにしたり金髪にしたりだから、自分はどうしようかって。「顔に入れ墨いきますか」って

 

(笑)


土屋さん

「大阪市の職員にはなれない」って入れ墨入れれば

 

(一同爆笑)


今の良い!!昔ありましたよね、日本のボクシングでも協会で、入れ墨ダメだって言って、だけど世界チャンピオンクラスがぼこぼこ入れ墨入ってて

 

(笑)

 

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