※HAPPY HOURでは編集を行っていません。ゲスト及び参加者の発言内容に対し一切の責任を負わないものとします。

 

 

---

 

倍賞千恵子
1941年6月29日生まれ。東京都出身。
映画「男はつらいよ」のさくら役に代表される庶民派女優として、また歌手としても親しまれ活躍中。
「男はつらいよ」シリーズ全48作、「幸福の黄色いハンカチ」「ホノカアボーイ」他、延べ164作に出演。
2004年、宮崎 駿監督作品「ハウルの動く城」では声の出演と主題歌「世界の約束」を歌う。
www.baisho-chieko.com

 

小六禮次郎
1作曲・編曲家。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。主な作品として世界劇「黄金の刻」
映画「ゴジラ」、大河ドラマ「功名が辻」「秀吉」、連続テレビ小説「さくら」
みんなのうた「いらっしゃい」、ゲームソフト「決戦」等幅広く多方面にわたって活躍中。
また、倍賞千恵子と共演するコンサートを全国で公演し、好評を得ている。

 

---

 

 

克

へ～。

レオ

へ～。

小六さん

あの当時映画館多いじゃない。もう１週間ごとで変わってたでしょう、２本立てで。

克

はいはい。

小六さん

っていうことはどんどん作っていかなきゃいけないわけですよね。

倍賞さん

それよりは後よ。

小六さん

まぁ昔あったじゃない。後だけど、本当変わりましたよね。

克

映画の歴史に残る人じゃない。

倍賞さん

あたし？

克

まっ、ちょっと聞いて下さい。生きてる時に映画史にこう残る人と喋れるってこと自体が、「こんなんで良いのか、すごい話だな」って思っちゃうわけですよ。

倍賞さん

そんな風に思わない方がいいですよ。

克

いやいや本当に。これ事実ですから。そういうこと考えるとすごいなって。

レオ

本当ですね。

倍賞さん

本人はそういう感じじゃないな。

小六さん

至ってそういう風には思ってないね。

倍賞さん

出会った人が良ければいいなっていうね。人とこう出会って自分がこう変われる。

克

それは倍賞さんの意見なんだけど、周りっていうか俺らは見て育ってるから。

レオ

倍賞さん、憧れてた女優さんとか歌手とかいるんですか？

倍賞さん

ない。

レオ

へ～。

倍賞さん

自分が映画行きたいと思って映画界に行ってないから。そういうの全然無かった。SKDに１５歳の時に入って３年間、高校生活と同じ。そこで色んな芸事習って、そこに入ったのも自分の意思じゃなくて、そこをたまたま首席で卒業して浅草の国際劇場でバトンガールってあたしの年代から出来たんだけど、首席の人がこうバトンガールを３階からズーっと先頭でやってくるっていうのが出来て、そんなのをこうやってる時に、たまたま週刊新潮のこういう子がいるっていうので、写真を映画会社の松竹の人が見て、ある日その人たちが来てスカウトされて先生が行けって言うから「わかりました」って言って、で行って帰ってきたらすぐSKDで歌って踊ったりするんだってずーっと思ってたのね。だから撮影が終わると本当にもう早く終わったら映画なんか嫌いなんだからSKDの浅草に行って、あたしの役あの人にとられちゃうって思いながらの状態で、その１本目の映画が撮り終わったらもう次の映画が決まってて、先生が言うことにはもう「はい」だから、また次の撮ってるうちに台本が来て、あらららっていううちに３冊位台本抱えて午前中がサクラさん、午後がハルコさん、夕方からアキコさんみたいな状態で。そんな状態で１年からあっと言う間にこう、映画に入っちゃったの。

レオ

へ～。

倍賞さん

映画って最初からうんと好きだったわけじゃないの。だからいい年になってから映画ってこうなんだなとか最近特に映画は良いよねって思えるようになった。

克

あぁ、そうですか。

倍賞さん

だから最初から「あたしは映画スターになるんだ」って思って映画に入ってなかったから。

小六さん

要するに何にも考えてなかったんだっていう。（笑）

倍賞さん

そう。

小六さん

怒られちゃう。でもそういうところありましたね。僕も最初会った頃ビックリしたもんね。その話聞いて。

倍賞さん

面白い人だと思うよ、あたし。なんか気がつくと自分の前に誰かが道を作ってくれてて私はその道を「わかりました」ってこう走っていくとこういって、また誰かが道を作ってくれるとこういって。もうラッキー！でも自分にそういうきっと何かのものがあったから、そこの道に乗っかれたんだと思うけどね。でも誰かがそういう風にしてくれないとあたしはどうしてたかなって思うね。何も自分で決めてなかったから。唯一自分で決めたのが高校進学して先生になろうと思って童謡歌ってるのも部辞めてもうしゃかりきになって勉強したのだけがあたしの自分の意思。

レオ

へ～。

倍賞さん

あと、運転免許とったのも自分の意思。

 

（笑）

克

じゃぁ、結婚しようと思ったのも自分の意思じゃないんだ。

 

（爆笑）

倍賞さん

言うと思った。

小六さん

ま～た～。（笑）

倍賞さん

絶対言うと思った。

小六さん

いつでてくるか分からない。（笑）そうね、「結婚しよう」って俺が言ったから。

倍賞さん

決めてくれたから。

小六さん

「いいわよ」って言ったけどもね。

克

男性にどんどん引っ張られて、決めてもらった方が良いタイプですか？

倍賞さん

それが良いですね、楽で。

 

（笑）

克

楽で良いですねだって。（笑）

倍賞さん

車の運転っていうのは自分で道決めないとダメでしょう。人に決めてもらえないから。それもただある女優さんに「えー、免許証持ってないの、倍賞さん」って言われて「ええ。」って言ってクソーって思ったからとったの。それこそ多摩川の。

小六さん

あ、そう。そこのね。二子玉川のね。

倍賞さん

そこで。もう全部の仕事を整理して１月その時のためだけに、電車に乗って電車の中で本読んで眠っちゃいながら。

小六さん

よくとれたよね、あなたね。本当早かった。

倍賞さん

そう、１月ちょっとで。

木田さん

でもとっただけで、乗ろうとは。

倍賞さん

思わなかった。とりましたよって見せに行ってね、それで車は嬉しいとは思わなかった。

小六さん

あぁそうだね。でも乗るようになったら好きだもんね。

倍賞さん

そしたら１年後位になんかやっぱり車持とうかなって、でも最初は中古が良いなと思ってお金を持って元マネージャーの旦那さんに「行ってくれる？」ってずっと色んな所見てまわって、でもなんかずっと合うものが無くて、もう良いか車買わないなって思って展示場の所に行ったら「あ！あたしこれが良い！」って言ったのが、カローラ。

レオ

へ～。

小六さん

カローラ？

木田さん

カローラ。

小六さん

あぁカローラか。

倍賞さん

その時に「これ下さい」って言ったら「これは売れません」って。

小六さん

どうして？なんで売ってくれなかったの？

倍賞さん

いや、ちゃんと買ったけど。

小六さん

あっ、「これ下さい」って言ったんだ。

 

（笑）

倍賞さん

それで初めて乗ったのがカローラ。

小六さん

そうそうそう。あれで僕助かったんでよね。

倍賞さん

そう。

レオ

何がですか？

小六さん

カローラ乗ってたわけですよ、この人どういうわけか。僕も仕事行くのに車乗ってましたから。１２月だったよね。

倍賞さん

うん。

木田さん

雪が降ってた。